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2025年7月8日名古屋ウィメンズマラソン挑戦記③ ~自分と向き合った42.195km~

自分と向き合った42.195km

    あれから4ヶ月。
    今も、あの42.195kmの記憶は鮮やかに心に残っています。
    時間が経ったからこそ、あの日、私はただ走ったのではなく、自分と深く向き合っていたのだと気づきました。

    名古屋の街を、笑顔で走り続けた42.195km。
    でもその道のりには、痛みとの向き合い、そして体の声に耳を傾けたからこそ得られた気づきがありました。

    【練習できない日々と不安】
     実は10月ごろから膝に痛みが出始めていました。
    「走れるときに走らなきゃ」と無理をしてしまい、その無理が結果的に故障につながってしまったのです。
    今思えば、その無理こそがさらに痛みを引き起こし、自分を苦しめていたのだと感じます。
    だからこそ、本番で「体の声に耳を傾けること」の大切さに気づけたのかもしれません。

    そして12月に入ってからの20kmの練習で、さらに痛みが悪化し、それ以降はほとんど走れなくなりました。
    「このままでは本番に出られなくなるかもしれない」
    そう思って、無理をせず、短い距離にとどめて調整していました。もちろん不安はありましたが、
    「とにかく本番のスタートラインに立てればいい」と、自分に言い聞かせて当日を迎えました。

    案の定、距離が伸びるにつれて、足の痛みが出てきました。

    【自分の体に問いかけてみた】
    いつもの私なら、「どうしよう」「大丈夫かな」と焦っていたはずです。
    でも、今回は違いました。

    ふと、自分の体に問いかけてみたのです。
    「左膝、なんで痛いの?」
    「私、どこかおかしな走り方している?」

    そうやって意識を内側に向けたとき、ふと気づきました。
    「フォームが崩れている」

    そこで呼吸を整え、姿勢を意識しながら、フォームを少しずつ修正していきました。
    すると、完全に痛みが消えるわけではないけれど、「進める」状態に変わっていったのです。
     
    【痛みは、敵じゃなかった】
    これまでの私は、痛みがあると「悪いこと」「乗り越えるべきもの」として捉えていました。
    でも今回は、痛みを通じて『気づきを与えてくれるサイン』だと実感したのです。

    外に答えを求めるのではなく、自分の内側に意識を向ける。
    焦るのではなく、体の声を聴く。

    そうやって走っているうちに、自然と自分の体に感謝が湧いてきました。
    「ここまで走らせてくれてありがとう」
    「がんばってくれてありがとう」

    不思議なことに、そんな気持ちで満たされると、体の感覚も変わっていくのを感じました。

    【ゴールは感謝でできていた】
    心配されていた30kmの壁も、35kmの地獄も、私にはありませんでした。

    痛み止めを持って走るように言われていましたが、一度も飲まずにすみました。
    給水以外は一度も立ち止まることなく、最後まで自分の足で走りきることができたのです。

    それは、沿道の応援のおかげ。
    練習のときに支えてくれた人たちのおかげ。
    何より、自分の体が「まだいけるよ」と応えてくれたおかげ。

    そして私は、『感謝の力』って、本当にすごいなと、心から思いました。

    【自分を幸せにできるのは、自分】
    「マラソンって、ただ走るだけじゃない」
    今なら、そう胸を張って言えます。

    楽しいかどうかは、周りが決めるものじゃない。
    どんなに苦しいことも、「どう楽しむか」は自分で決められる。
    自分を幸せにできるのは、いつだって自分自身。

    私はこのマラソンで、それを体感しました。

    もし今、何かに悩んでいたり、壁にぶつかっている人がいたら。
    ぜひ、今日の仕事に対して、こんな問いを投げかけてみてください。

    「この仕事、どうやったら楽しくできるかな?」

    その問いの先に、あなた自身がまだ知らない可能性と、あなたにしか見えないゴールが待っているかもしれません。

    これにて「名古屋ウィメンズマラソン挑戦記」完結です。
    この体験が、誰かの心に小さな火を灯せたなら、私の挑戦は本当に意味のあるものになったと思えます。

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