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2021年9月21日「たかが5カ月、されど楽しい塗装の世界」

この世界に入って5ヶ月が経ちました。まだまだひよっこで理解の至らない所も、覚えの悪い所も多々ありますが、毎日が新しい発見ばかりの楽しい世界です。中でも我々が扱っている“塗料”というモノの奥深さというか、面白さ、難解さというものには日々頭を悩ましている(特に先輩方が)ところであります。

私は現在、製品に塗る塗料を作る作業をさせて頂いています。ただ塗料作りと言っても、モノによって使う塗料が変わるのは勿論、作る工程も多少ながら変わってきます。
混ぜる工程で言うと、ヘラでかき回すだけのものもあれば、撹拌機やジャイロ等、ヒト以外の手を借りなければいけないものもあります。それが終わって濾過するにしても、濾過するフィルターの種類も枚数も使う塗料によって変わってきます。これらが適切な手順を踏まないとブツが発生するなど不良の原因となります。
塗料自体の話となると、メタリック系やブラック、艶消し等の塗料は缶から出す前にジャイロにかけないと沈殿を起こし、出来上がりが変わってきます。また、顔料同士を混ぜて目的の色を出すとなると、主剤に対しての0.xx%、グラムにしてほんの数グラム変わっただけで目的の色にならなかったりします。

ただ、難しいだけが塗料ではありません。面白さもこの難しさ以上にあるのが塗料です。
金色はどうやって作られているのでしょうか。蒸着さえしてしまえば金色の塗料は使いません。イエローとオレンジを混ぜた塗料を塗れば可憐で綺麗な金色に仕上がります。蒸着をしたものではありますがイエローとオレンジだけです。
オーラル製品にて使われるブルーの塗料にはブルーの顔料以外にブラックとマゼンタが入っています。この二つはブルーよりも含有量が多かったりします(マゼンタに関してはブルーの倍以上)が、出来上がりには鮮やかなブルーに仕上がっています。
あの塗料が何グラム、こっちが何グラムと文字だけで見るのと、実際の出来上がりは想像力を遥かに超越した”違い”があります。

ここまで拙い知識と文章力で書かせて頂きましたが、この世界を楽しく思う気持ちに嘘はありません。まだまだ奥の深いこの世界に足を踏み入れたばかりです。精進していきますので、更なるご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

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